Voice 017. 公認心理師推進ネットワーク(CPN)総会(3/1)&第1回大会(3/7)に参加して
放送大学教養学部学部生
3/1にCPN総会が開催されました。
当日の横浜は生憎の雨で肌寒く、それでも山下公園越しに港から聞こえる汽笛の音が印象的で、CPNの船出を象徴するかの様だと事務局の方とも談笑しておりました。
総会ではCPNの運営に関する事が報告され、そして公認心理師法案の経緯や今後の展開が話し合われました。
3/7の第1回大会では「公認心理師と心理職の雇用①医療編」をテーマに行われ、みなとみらいの美しい夜景を楽しむ間もなく議論が活発化し、発言機会が多く設けられました。
円卓を囲む案もありましたが、是非実現して頂きたく思います。(編者注:当日の座席がスクール形式だったため)
私は2014年の6月頃から公認心理師法案について発言して参りました。
意外かと思いますが私は当初は公認心理師法案における医師の指示条項(第42条2項)が不要であると考え、公認心理師法案に反対しておりました。
しかしながら公認心理師法案の議論に参加して1,2ヶ月程経過した頃に、精神科七者懇談会(七者懇)の「心理職の国家資格化に関する見解」と題された公開文書を確認し驚きました。そこには医師の指示に依る心理職の専門業務への強制や規制を求めた文言は見当たらないのです。これに依り公認心理師法案における医師の指示条項への批判は妥当ではないと判断し、私は公認心理師法案の推進派へと考えを改めました。
私が求めるのは心理職の専門業務に診療報酬を適用する事です。
東京では心理職の専門業務が30分に付き1万円にて行われている場合があります。
心理職の出稿する広告を読むと休職中の方を顧客として設定していますが、目下デフレ脱却を目指し様々な経済対策を講じている我が国の経済情勢上、雇用が不安定な状況で支出すると設定された金額であると仮定すると、高額ではないかと考えております。
過当競争を防ぎ、クライエントに優れた心理職の専門業務を提供する事が可能となる為にも健康保険制度の枠組みで実現させたいのです。
行政、そして民間も様々な策を講じており、今こそ国家資格としての心理職を我が国に広めていく必要があると考えております。
近年の米国における臨床研究の報告を見ると、うつ症状の患者が薬物療法で改善した具体例は一部に留まり、その他の症状や症例においても同様に他の手段が求められています。
また国内外からも従来の精神医療に多様な声が上がり、各研究機関においても心理療法のみならず療育や疾病予防等と様々な研究が行われております。
PCやスマートフォン等の情報端末を介した認知行動療法やその他のサービスも普及の兆しを見せておりますが、情報技術(ICT)の発展と活用に依り提供されるサービスは心理職の提供する専門業務への需要関数ではないと考えられ、これからも高い専門性を持つ心理職が医療や教育、福祉、保険、行政、司法、産業等と非常に幅広い市場から顕在需要が確認出来ると考えております。
先の3/7でも「反対派や慎重派と呼ばれる方は、必ずしも国家資格化そのものには反対ではない」と申し上げました。
私自身が過去に公認心理師法案に反対の立場ながら国家資格化には賛成であった経歴も御座いますが、反対派や慎重派と呼ばれる方にはこの様な公認心理師法案における議論の前提もご存知ではない場合も非常に多いのではと感じております。
前回の医療心理師での2資格1法案の事象なども含めて、今となっては語られない詳細な内容がこれからの議論に必要とされていると実感しております。
心理職の専門業務を普及させる為の議論を始めませんか?
公認心理師法案における学歴条項(第7条)等と誤解されていることが多く、議論に不参加の方には不明な事も多いかと思いますが、特に私は市民や学生の声を同じ立場として歓迎したいし、SNS等を通じてや、そしてもちろんCPN等で実際に会って話し、その意見や疑問に自分の出来る範囲で応えていきたいのです。
2015年度も活発な議論が成されると夢見て…